YK_D

Project

地域発 ヒット商品のデザイン。

December 03, 2014

PIE BOOKS(発売元:バイ インターナショナル)

¥3,800

全国のおみやげものや特産物を紹介した、とても見応えのある一冊です。

私の仕事の中から、

Bombeさんのサブレシリーズ「八代風菓」

自然栽培のお茶「みなまた茶」

が掲載されています。

地域のものをデザインすることについて、

私なりの考えを、Bombeさんを例に寄稿もしています。

 

クライアントの思いをいかに素直に伝えるか、

その結果がその地域らしさとなる。

 

熊本の八代市にBombeさんという洋菓子屋さんがあります。出会いは、5年ほど前に「シールをデザインして欲しい」という依頼でした。一つ一つの商品を個別にいろいろなところへ発注した結果、デザインがバラバラになり、シールか何かでどうにかイメージを統一出来ないか、という相談でした。半年後にリニューアルも考えていらっしゃるタイミングで、ならばお店のロゴから店舗の外装・内装、パッケージも含めて総合的にデザインを進める旨を提案しました。まずは目指すお店のイメージを構築し、そこから一番汎用性の高いシールを制作しましょう、と。例えば、シールひとつをとっても、並んだとき、自宅に持ち帰ったとき、相手に渡ったとき、その時に感じたものが、お店そのものだと思うのです。故に、パッケージ一つをとっても、お店の空間やシェフの人柄、何よりもどんな思いでこのお店が成り立っているのか、深く追求することが必要であると考えました。普段、お話を頂いた時に考えるのは、お店であれ、企業であれ、将来像を考えることです。そして、今出来ることから始める。その方向性に沿って、予算内で出来ることから、時間をかけて構築していく。地域にいると、地域らしさ、という今までの固定されたイメージが付きまとう傾向にあると感じます。そうではなく、クライアントの思いをいかに素直にお客様へ伝えるか、その結果がその地域らしさとなるのだと思ってデザインをしています。その後、地産のサブレシリーズ「八代風菓」が生まれた時も、サブレ全5種類を一つ一つそれぞれにデザインするのではなく、まずは総称したネーミング案+ロゴ、箱、個包装、しおり、POPの一式を最初からデザインしました。そこを完成とし、今出来るところから進めていけば、少し時間がかかってもイメージがぶれることもありません。地域の仕事は、クライアントと密着して時間をかけて共に作り上げていくという意識がとても大切だと感じています。

 

 

 

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